果樹園におススメの土壌管理方法が草生栽培。
草生栽培とは?
草生栽培(そうせいさいばい)とは、園内に作物以外の草(緑肥)を生やして土壌を管理する栽培方法。
主に果樹園で利用されます。
除草剤を使わず、むしろ草(緑肥)を生やして土壌の温度上昇、土壌流出、飛散などを防止します。
草が枯れた後あるいは刈り取り後は土壌へ有機物補給となり、土壌内の生態系バランス保持に役立ちます。
果樹園は樹木が固定化されているので、肥料成分が偏向していたり固定化されたり、土壌が硬くなったりしますが、草生栽培は緑肥の根が土壌を耕し、枯れた後は有機物の補給が可能になり、微生物の増殖が望め、土壌再生にはもってこいです。
透水性や団粒効果促進、深層施肥効果も望めます。
草生栽培によく使われる草種は…
ナシ栽培(群馬県・山梨県)→ライムギハルミドリ
#多量の有機物補給になる(1t/10aあたり)
りんご栽培(長野県)→ケンタッキーブルーグラス
#草丈20-30cmで被覆効果、定着後は管理がラク
上記草種は主に収穫後の秋播きに利用されます。
ライムギハルミドリの例:
・播種の1-2か月前までに雑草、落葉などを除去
・施肥:通年の元肥えに対して5-10%増し
・播種時期:10-11月中旬まで
・播種量:6-8kg/10a
・播種方法:樹幹下半径1-2mを除き全面バラ播き
・播種後:覆土、鎮圧が望ましい
・出穂前に刈り取ると2回刈り、出穂後の刈り取りの場合は1回刈り
・ライムギは一年草なので、毎年行います。
管理がラクで、環境保全、土壌改良に役立つ草生栽培に注目してみてはいかがでしょうか?
《ポイント》
・雑草防止、乾燥防止、有機質の確保には草生栽培
・飛砂防止、土壌流失、環境保全に草生栽培
・土壌透水性、団粒化促進、深層施肥効果がある草生栽培