[218]消石灰の使いみち

消石灰を撒くといえば、肥料としてカルシウムを補給する、と考えがちです。
石灰=カルシウムですから。

しかし、農園芸の現場で消石灰を撒く目的は…

  1. 酸度を調整する(酸性土壌をアルカリ側に傾け矯正)
  2. 藁や残渣など有機物の分解促進
  3. 土壌の消毒(殺菌・殺虫)

この3点です。

残念ながら消石灰はカルシウム補給には不適です。
カルシウムを補給する目的の場合は、吸収しやすい形にした、専用のカルシウム液肥等の資材をお使いください。

さて、これら殺菌等の目的で使うのは、消石灰などアルカリ度の高いものを使います。

殺菌力はたんぱく質の分解能力としてアルカリの%で判断できます。

生石灰が一番強くこれを100として他の石灰のアルカリ度を示しています。
消石灰は70%ほど。
貝殻など有機石灰(炭酸カルシウム)はアルカリ度50%以下になります。
なので、消毒、有機物分解には消石灰が使われることが多いのです。

消石灰アルカリ75%

消石灰は使用していない秋冬の休圃場で使ってください。
作物が植わっているところでは使いません。
使ったらどうなるか?→枯れます。
有機物の分解能力があるので、当たり前ですね。

なお、アルカリはたんぱく質を溶かしますので、目に入りますと目の組織を溶かしますので失明の恐れがあります。
危険ですので、学校等のライン用には消石灰を禁止し、アルカリ度の低い炭酸カルシウム(貝殻や卵の殻の成分)を使うように指導されています。

消石灰で消毒散布の際には目や鼻口に入らないようにマスク手袋をしてください。

苦土生石灰–アルカリ100%
主成分は酸化カルシウム(生石灰-CaO)と酸化マグネシウム(MgO)です
アルカリ分100%・苦土30%以上を保証する苦土生石灰です。
水分を含みますと発熱しますので、注意してください。

消石灰–アルカリ70%
主成分は水酸化カルシウム[Ca(OH)2]です。

貝化石や卵の殻など自然系の炭酸カルシウム(有機石灰)は作物が植わってても使えますので安心です。
カキ殻+卵殻の混合有機石灰【BG土づくりの元・20kg】

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