[515]次亜塩素酸水を作物の病害菌に使った実験例

介護施設や医療現場などで除菌目的に普通に使われる次亜塩素酸水。
次亜塩素酸ナトリウムと比べ、安全性が高いので広く利用されています。

次亜塩素酸水タブレット

この次亜塩素酸水を農業現場の病害に使用して効果を得た実験例がありますので、かいつまんで紹介いたします。

試験日:2021年3月-5月
試験サンプル:次亜塩素酸水タブレット1錠(1g)500mLの水で溶かした溶液を段階希釈
遊里有効塩素濃度:909.1ppmからスタート
検査用微生物:
黒斑病、葉枯細菌病、混合感染しやすい糸状細菌、炭疽病、白嚢菌(うどん粉病菌)

上記微生物を20日寒天培養し、これに次亜塩素酸水を投与したところ、抗菌性を示したとのこと。
さらに30ppmまで希釈した次亜塩素酸水においても有効な抗菌性を示したとのこと。
このことから、次亜塩素酸水は、使用する塩素濃度100-200ppm溶液においてこれらの菌の増殖を阻害する抗菌性・殺菌性があると評価する。

とのこと。

この原理を利用すれば、カビ菌由来の病害を防ぐことが明確に想像できます。
カビ菌由来の代表的な病害としては、うどんこ病、灰色カビ病、ベト病、さび病…等々

考えられる使用方法

・病害作物に次亜塩素酸水100ppm液を吹き付ける。
・次亜塩素酸水は安全ですので散布後の処置は不要。
・菌を分解した後は水に戻るので放置で大丈夫。

なお、デメリットとしては、次亜塩素酸水は持続性がないので、処理後、時間の経過とともに、微生物が再増殖することがあります。
※うどん粉病に於いて再増殖が顕著とのこと。

定期的な施用が必要かもしれません。

うどん粉病に効くとか、ハサミの消毒に使える、と商品ページに書くと農薬取締法や薬機法に抵触するので、このコラムを参考に自己判断でお使いください。

JIA323 – タブレット500 -【10錠/袋】次亜塩素酸水タブレット(500ml用)
※なお、本コラムの「次亜塩素酸水」と「次亜塩素酸ナトリウム」とは名前が似ていますが、異なる物質ですので混同しないようにしてください。

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