[580]肥料の葉面散布は葉の裏が良い?それとも表面?

植物の葉っぱをよく見てみると、表面はツヤがあってつるつるしていますね。
一方で裏面は、ざらざらしており、毛が生えていたりもします。

で、葉面散布はどちら側にすればよいのか?
という疑問?

結論から申し上げれば→~どちらでもよい!~

葉の構造を簡単に説明すると、表面のつるつるな部分は、クチクラ層といって、水の蒸発を防いだり熱や紫外線、外敵から身を守るために硬い層になっています。

硬い層になっているのなら葉面散布は効かないのか?
と思いきや、微細な穴(気孔)や層の隙間より浸透するので、葉面散布効きます

一方葉の裏には気孔が密集しており、また柔らかい組織ですので、こちらも葉面散布、効きます

で、この気孔ですが、穴の大きさは約12ミクロン(μm)といわれています。

これは結構大きい穴で、アミノ酸やブドウ糖、たんぱく質なども通過します。
バクテリアも通過するので、光合成菌バチルス菌などを散布すると吸収される、ということになります。

もともと植物の原型である海藻は根を持たず、葉から栄養分を吸収していましたから、当然といえるかもしれません。

葉面散布で用いられる肥料で効果的なものを挙げます。

尿素

尿素…尿素は分子量が小さくクチクラ層の透過速度も早い。
第一リン酸カリ…定番の花芽肥料で吸収がよい。
亜リン酸肥料…リン酸より分子量が小さく葉面からの吸収が早い。
硫酸マグネシウム…水溶性の微量要素剤は即効性がありお勧め。
その他硫酸マンガン(MnSO₄)、硫酸第一鉄(FeSO4)など…

なお、肥料の葉面散布は表面だけでも効きます(吸収される)が殺虫剤、殺菌剤は葉の裏面迄満遍なく散布しましょう。
殺虫剤、殺菌剤は葉の表面の処理剤といえるからです。

《ポイント》

・肥料の葉面散布は表面、裏面どちらでも効く
・殺虫剤、殺菌剤は表裏満遍なく散布する
・尿素、第一リン酸加里、硫酸マグネシウムがよく効く

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