[05]好気性微生物と嫌気性微生物

地球が生成したときに運良く炭素と酸素があったのが運のつき。これらを元に我々の先祖が誕生してしまいました。つまりヒトは炭素を酸素で酸化させエネルギーを得る生物です。

酸素は化学物質の中ではかなり安定しない物質で、それゆえ化学反応を起こしやすい物質です。たとえば鉄は酸化して錆びて酸化鉄になりますが、これは純鉄の粉末を高さ30cmのところから下に落とす間に火花を散らしながら燃えて酸化鉄になります。酸素はかなりヤバイ物質なのです。

我々はそんな危険な酸素を、呼吸という行為で体の中に取り込み、化学反応を起こしてエネルギーを得ています。全宇宙的に見ても高エネルギーな生物ということができると思います。しかし世の中にはもっと活発な元素もあります。たとえば放射性元素。これらからエネルギーを得る生物が宇宙には存在すれば、その活発さは我々酸素型の非ではないでしょう。

我々は酸素を好むいわば好気性生物です。逆に酸素を好まない、嫌気性の生物もいます。代表的なものは嫌気性バクテリアといわれる連中で、地中や海中など酸素のない場所に生息しています。人体の腸の中に生息するビフィズス菌も嫌気性の菌です。

嫌気性の生物はその生息過程で酸素を必要としません。従って急激な活動はできませんが地道な分解活動を行なって、地球上の浄化に役立っています。ヘドロの溜まったドブはドブ臭いですよね。これは嫌気性バクテリアにより有機物が分解して発生したガスです。ヘドロを分解して気体に代え、地球上の堆積物を必要以上に増やさない役目をしているのです。

このように地球上では好気性と嫌気性の生物が共存して程よい環境を作り出しているのでが、土壌の中も同じです。土壌の表層近くでは好気性の微生物が酸素を使って有機物の発酵を促します。土壌深くでは嫌気性の微生物が腐敗を促進します。腐敗は雑菌を増やすので病気のもととなり、園芸・農業では嫌われますが、地球上の生物の営みとしては正常。良い悪いではなく、要はバランスなのです。

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