[433]キチナーゼのハナシ

「なぜキトサンを撒くと、植物が元気になるのか?」

キトサンの効果を語ろうと思ったのですが、これが意外と難しい。

それには、まずキチナーゼという酵素の説明をしなければなりません。

キチナーゼ(Chitinase)は、キチン質の固い結合を分解する分解酵素です。
植物はもともとこの酵素を持っています。

注※キチン(chitin)=キトサン(chitosan)の前段階の高分子物質

キトサン粉末

キチン質を持つのは、まず昆虫。
体の表面に甲殻を持っています。
この甲殻はキチン質でできています。

昆虫が植物を食べようと寄ってきます。
すると植物は昆虫のキチン質を感知して、防御態勢になりキチナーゼを分泌します。
昆虫のキチン質を分解する酵素を出して撃退しようとするわけです。
昆虫は分解されては困るので退散するというわけ。

次に、病気の元となるカビ菌(糸状菌)。
カビ菌も植物に取り付いてその栄養分を資源に自分を増殖します。
つまり、捕食されているのと同じなんですね。

このカビ菌も実はキチン質でできています。
なので昆虫と同じく、撃退するために植物はキチナーゼを分泌します。
このキチナーゼのおかげで、カビ菌は溶菌され、増殖を断念することになるわけです。

キチナーゼは植物が持つ、防御反応なのですね。

ところで、ではキトサンを撒くとなぜ植物が元気になるか?ですが、

注※キチン質は高分子物質のため、水や酸にも溶けず消化吸収ができません。これに化学処理を施して、高分子状態を分解して低分子にしたものがキトサンです。キチンよりキトサンのほうが自然界においても分解しやすい。

キトサンを撒くと植物は「昆虫が来たか??」あるいは「カビ菌がやってきたか?」と察知し、防御する体制に入ります。
生体防御のために活性化するのですね。キチナーゼ酵素もたくさん分泌します。

ところがやってきたはずの昆虫やカビ菌が、じつは無害なキトサンだったという事実。
キトサンは悪さをしませんので、生体防御反応は空振りというわけ。

でも、植物はそのために活性化していますので、続けてやってくる昆虫の食害やカビ菌による病害も削減できるというわけです。

キトサン溶液が植物を元気にするというのは、じつは植物に「敵が来た!」と勘違いさせて得る効果だったいうわけです。

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