[106]虫と硝酸態窒素

無農薬栽培の場合「虫が付くのはしょうがない」と諦めがちです。

◆虫が付くのは無農薬だからしょうがない。
◆虫が付くほどおいしい野菜なのだ。

しかしこれは人間が勝手につけた都合のよい言い訳です。

虫が付くのは無農薬だからではなく、硝酸態窒素が多いからです。硝酸態窒素は虫は好みますが、人間が食べておいしくありません。つまり、人間が食べておいしくない窒素過多の作物を、わざわざ虫が食べてくれて、余計な窒素を糞として地面に戻してくれているのです。

植物は窒素過多だとその臭いをたどって虫が寄ってきます。窒素が適正だと、植物は臭いを出さず、虫は寄ってこないのです。

植物の生育に肥料は必要です。しかし、収穫時期まで肥料分が残っていると、採れた野菜はおいしくありません。収穫直前には肥料分がなくなるように上手に施肥するようにしましょう。

作付けを行なうときにはしっかり土作りをして土中の微生物によく働くように号令をかけておきます。そして、元肥は少なめにします。肥料は一度与えてしまうと引き算ができません。足りなくなったら途中で液肥を追肥するようにすると、収穫前に肥料分を使い切ることができおいしい野菜が収穫できます。

ちなみに硝酸態窒素が作物に残っていると見かけは青々としてみずみずしいですが、食べてみるとえぐく、苦かったりします。えぐいとか苦いというのは人間が毒として感じ取っている証です。続けて摂取すると肺水腫を起こし、死に至ることもあります。

虫を寄せ付けない無農薬栽培のコツは、じつは肥料のやり方がポイントだった、というわけです。

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