[618]キトサンを【病害に効くと謳って販売してはいけない】という話。

今日は久しぶりにキトサンの話をします。

題して『キトサンを【病害に効くと謳って販売してはいけない】』という話。

多分、農政局の人も読んでいると思いますので【指導】が入るかも(笑)

さて、キトサンはカニやエビなどの甲殻から化学処理を経て得られる物質。

キトサン粉末

そのキトサンはカビや細菌に対して抗菌力があることが知られています。

この抗菌性を利用して、農業部門でも病気の予防植物成長促進土壌の団粒化農産物の鮮度維持などに利用できます。

カビ菌が原因の病気といえば、うどんこ病、灰色カビ病、ベト病、さび病などなど。
野菜栽培においては定番ともいえる病害です。

これらの病害に対してはキトサンが効果があります。

文献あり。

キトサンと植物病原菌生体防御酵素(東京農業大学)
https://www.nodai.ac.jp/research/teacher-column/0056/

キトサンの抗菌作用(中村学園大学)
https://nakamura-u.repo.nii.ac.jp/record/1934/files/KJ00000735216.pdf

このように「キトサンはうどん粉病に効く」わけです。
根拠となる文献もあるのですから間違いないです。

ところが、農水省の農政局の農薬担当が言うには、
『キトサンは農薬ではないのでうどん粉病に効くと謳って販売していはいけない』となります。

『病害に効くと謳う』『購買者が農薬と勘違いするから』という理由だそうです。

つまり、病害に効くと謳って販売したいなら【農薬登録せよ】ということらしい。

キトサンがうどん粉病に効くことは明白なのに、農薬ではないから効能を謳って販売してはいけないのです。
農薬取締法ってこういうメンドクサイ法律です。

キトサンを農薬登録したら、売れなくなりますよね。
農薬嫌い風潮の世の中ですから。

一方で農薬メーカーさんも大変らしいです。
農薬登録には総額で100万単位のお金がかかるといいます。

1.農薬登録の新規申請
申請書手数料 ※719,300円
2.登録事項変更(拡大申請)
申請書手数料 ※251,700円
3.再評価
申請書手数料 ※1回目 350,000円
そのほかに試験成績等が必要
※2025.10月現在
https://www.acis.famic.go.jp/uketsuke/

最近では大手農薬メーカーさんで新商品を農薬登録せず、土壌改良剤として販売する傾向にあります。

効能としては、
・植物の健康維持に!
・免疫を向上させ丈夫な植物に!
・土壌改良効果があり健全育成!
みたいな文言で説明しています。
病害予防とは一切かかれていません。

土壌改良剤ならば農薬登録も必要ないし、有効期限も必要ないし、管理も楽。
お金もかかりません。

農薬登録すると、逆に売れなくなるので、土壌改良剤として売るのが平和ということなのでしょう。

ちなみに、農家様など利用者がキトサンの効能を知っていて、その効果を狙って使う分には問題ありません。
禁止なのは「効能を謳って【販売】する」ことなのです。
つまり販売側の足かせとなります。

たまごや商店でも「病害に効く」と謳って販売はしておりません。
使用にあたってはお客様の判断でお願いいたします。

《ポイント》

・キトサンが抗菌作用があることは各種文献で証明されている
・しかし販売する際に病害に効くといってはいけない
・お客様の判断でお買い求めください

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