[604]カルシウムとホウ素は同時に効かせよう
果実や果菜の肥大には、細胞の増殖のため多量のカルシウムが必要です。
#カルシウムは中量要素
そして、カルシウムほどではないですが同時にホウ素が必要。
#ホウ素は微量要素
特に必要な時期は着果初期。
この時期にカルシウムが不足すると果実の裂果や尻腐れ病が発生し、収穫に悪影響を及ぼします。
カルシウムやホウ素は細胞壁の構成要素となるもので、これが不足すると果実が大きくなりません。
一方でホウ素はペクチンと一緒になって、細胞壁の柔軟性を持たせる役割を担っています。
カルシウム⇒細胞壁の構成
ホウ素⇒細胞壁に柔軟性を持たせる
このように、肥大・増量に重要な役割を持つカルシウムとホウ素ですが、ともに植物体内を移動しにくいという短所があります。
土壌中にカルシウムやホウ素があって、それを根が吸収しても、植物体内には巡りにくいのです。
なので、カルシウムとホウ素は葉面散布が望ましいこととなります。
葉面散布ならば、効かせたいところ、必要なところにピンポイントに届かせられます。
ここで使ってみたい資材が「テクノケルアミノCaB(シーエービー)」です。
製造はアミノ酸で定評のある味の素株式会社。
テクノケルアミノCaBのカルシウム成分はキレート化されており安定して吸収しやすい。
#キレート化=イオン物質をカニのはさみのように挟んでそのまま安定させる方法
ホウ素もまたエタノールアミンで錯体化しており、これまた吸収しやすくなっています。
#錯体化=イオン物質と結合しその状態を安定させる方法
これらの安定機能(キレート化、錯体化)により、テクノケルアミノCaBを施用すると、効率よく、安定的にカルシウムとホウ素を供給することができるってわけです。
《柑橘系での施用例》
・開花期と細胞分裂期に施用
・満開期には、テカミンマックスを併用してパワーの底上げを狙う
・肥大は良好
・例年ホウ素欠乏に悩むところだが、それがなし
・着果量と肥大の両立が望める(収量増大)
・水ぐされ症なし
特に大玉系のトマトや果実、かんきつ類などには効果の高い資材です。
ぜひ使ってみたい資材です。
《ポイント》
・果実肥大にはカルシウムとホウ素を同時に供給する
・植物体で転流しにくいので葉面散布が効果的
・大玉系果菜、果実、柑橘系で効果絶大
◇テクノケルアミノCaB(N8-Ca8-B0.35)【1L/1.4kg】Tecnokel Amino CaB アミノ酸でカルシウムとホウ素を素早く補給|味の素