[614]硫黄成分にご注目
硫黄(イオウ)と聞くと温泉などの「あのニオイ」を想像しますが、じつは硫黄自体は無臭なんです。
硫黄は空気や水と反応しやすく、硫化化合物になるとあのニオイを発するのですね。
で、その硫黄。
植物にとって体の組成となるアミノ酸やタンパク質の合成に欠かせない栄養成分なのです。
硫黄がしっかり効いていると枝葉がよく茂り、光合成が活発になり、根張りが良くなるため、結果的に実や根の肥大化につながり収量アップに貢献するってワケです。
では硫黄をどのように与えたらよいか?
硫黄の原子記号は(S)。
つまり組成式に(S)が含まれている肥料であれば硫黄の期待ができます。
例:
硫安:(NH4)2SO4
硫酸加里:K2SO4
硫酸苦土:MgSO4
硫酸カルシウム:CaSO4
これらの肥料は硫酸とアンモニア、カリウム、マグネシウム、カルシウムが結合した物質ですが、土中では硫酸塩肥料として植物に利用されます。
その際に発生する硫酸イオン成分が、土中に硫黄を供給する役割を果たします。
例:
硫酸苦土(硫酸マグネシウム)→硫酸+マグネシウム
マグネシウム→マグネシウム成分を吸収
硫酸→硫黄成分が土壌に残り栄養分となる
上の例でいえば、
硫安は→硫黄と窒素(アンモニア)
硫酸加里→硫黄とカリウム
硫酸カルシウム→硫黄とカルシウム
どの肥料を使っても硫黄成分は補給されますが、それに付随する成分(窒素、カリウム、カルシウム)のどれを欲するかによって決めればよいかと思います。
おススメは硫酸カルシウム。
カルシウムと硫黄が同時に補給され、健全な生育が期待されます。
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《ポイント》
・硫黄はタンパク質生成に必要な成分
・硫酸なんたらという肥料を与えれば硫黄は補給される
・硫酸カルシウムは硫黄とカルシウムが同時補給されるので便利